ディーゼル車の排気ガスで花粉症は説明できるのか
ディーゼル車の排気ガスと花粉症の因果関係を指摘した研究はどのようなものでしょうか。
「ディーゼル車排出ガスと花粉症の関連に関する調査」を見てみましょう。
この研究結果で言わんとしていることは、報告書のまとめ(23ページ)の冒頭で述べられているとおり、今回の調査では疫学的には花粉症とディーゼルの排気ガスとの間に因果関係を認めることはできないということです。ただし、試験管内で人の血液にディーゼルの排気ガスに含まれるSPMを添加したところ、アレルギー反応を起こす物質が生成されたため、ディーゼルの排気ガスが花粉症を引き起こす可能性が示唆されたということだけです。
もう一度言いますね。単に可能性が示唆された、つまり可能性があるというよりももっと断定的でなく、もしかしたら可能性があるかも知れないと言っただけなのです。
しかし、血液にSPMを添加したらアレルギー反応を起こす物質が生成されたのだから、SPMが花粉症の原因と断定してもよいのではないかと思われる方もいるかと思います。
次の「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証2で他のわかりやすい研究結果を例に説明しましょう。
「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証関連ページ
- スギ花粉の増加
- 昔よりもスギ花粉の絶対量が増えたことにより、花粉症という病気が日本に発生したという推論。
- 「花粉量の増加が花粉症の原因」の検証
- スギ花粉の量が増えたことだけでは、従来日本にはないとされていた花粉症が爆発的に増えたことを説明できない。
- ディーゼルの排気ガス
- ディーゼル車の排気ガスに含まれる微粒子が花粉症の原因であるという説。
- 「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証2
- ディーゼルの排気ガスが花粉症の原因だとする研究結果を詳細に調べてみる。
- 「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証3
- ディーゼル車の排気ガスに含まれている浮遊微粒子物質SPMが花粉症の原因であるという説では海外では昔から花粉症があることが説明できない。
- 食生活の変化
- 食生活の変化が花粉症の原因とする説について考えてみました。
- 食生活の変化が花粉症の原因の検証
- 食生活の欧米化などが花粉症の原因であるとの説を検証していく。
- 食生活の変化が花粉症の原因の検証2
- 卵や乳製品が花粉症の原因であるとの推論を検証していく。
- 原因の特定の難しさ
- これは原因でないと特定するのは比較的易しくても、これが原因であると特定するのは難しい。
- 結論
- 花粉症の根本原因と思われるものは食生活の中でも肉と乳製品と思われた。
- その他の花粉症の原因と言われているもの
- ディーゼルの排気や食生活以外の花粉症の原因と推測されているもの。