論理的に花粉症の原因を考えてみる

花粉症の原因とはなんなのか

 一般的に花粉症の原因として言われているのが、スギ花粉の増加やディーゼルの排気ガス、それにストレスや低体温症なども原因だとも言われています。

 

 しかし、わかっている事実から花粉症の原因を推測するために、まずは元々日本には花粉症患者はほとんどいなかったという事実から出発したいと思います。これは疑いようのない事実ですから、前提とするのに全く問題はないかと思われます。

 

 その前提から考えると、戦後日本に於いておきた何らかの変化が花粉症を誘発したという仮説が成り立つと思われます。

 

 戦後日本におけるどのような変化が花粉症の原因になったのか。はっきりとした事実から出発し、論理的及び合理的な仮定を積み重ね、最終的に花粉症の原因と思われるものの候補をいくつか上げて、それぞれの候補を重度の花粉症を患っている私自身の肉体でその影響を確認することで、花粉症の原因を特定しようと思い立ったのでした。

論理的に花粉症の原因を考えてみる記事一覧

スギ花粉の増加

 飛散するスギ花粉の絶対量が昔に比べて多くなり、また、路面等がアスファルトで覆われたことにより、スギ花粉を吸い込む量が増えたことが花粉症の原因ではないかという推論を検証してみましょう。
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「花粉量の増加が花粉症の原因」の検証

 大前提として、花粉症はスギ花粉症だけではないということがあります。代表的なものではヒノキやブタクサなどの花粉に反応する花粉症があり、もしもヒノキやブタクサの花粉量がスギ花粉の量と同様に近年極端に増えているのならば全く矛盾はないのですが、ヒノキやブタクサの花粉量が増えていないのにヒノキやブタクサ、その他の花粉症患者の増加が止まらない理由を、スギ花粉の増加が花粉症の原因であるという説は説明できません。 スギ花粉の増加は花粉症の根本原因ではありえないのです。 しかし、少なくともスギ花粉の増加がスギ花粉症が日本で発生した原因であるとは言えるのではないでしょうか。 確かにスギ花粉の増加はスギ花粉症の患...
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ディーゼルの排気ガス

 ディーゼル車の排気ガスに含まれている浮遊粒子状物質(SPM)が大気中に増えた環境汚染の結果が花粉症の原因であるという推論を検証してみましょう。 ディーゼル車の排気ガスに含まれているSPMは発がん性や喘息との関連性も疑われており、これが花粉症の原因であるというのは心情的に信憑性が高いと思わせる説です。
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「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証

 ディーゼル車の排気ガスと花粉症の因果関係を指摘した研究はどのようなものでしょうか。 「ディーゼル車排出ガスと花粉症の関連に関する調査」を見てみましょう。 この研究結果で言わんとしていることは、報告書のまとめ(23ページ)の冒頭で述べられているとおり、今回の調査では疫学的には花粉症とディーゼルの排気ガスとの間に因果関係を認めることはできないということです。ただし、試験管内で人の血液にディーゼルの排気ガスに含まれるSPMを添加したところ、アレルギー反応を起こす物質が生成されたため、ディーゼルの排気ガスが花粉症を引き起こす可能性が示唆されたということだけです。 もう一度言いますね。単に可能性が示唆...
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「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証2

 国立環境研究所がアホな実験をしていました。NHKのニュースで取り上げられた実験結果です。2002年ですから10年以上前の実験です。 実験は下記のようになされたようです。ディーゼルの排気ガスを5週間に渡って吸わせたねずみと5週間綺麗な空気を吸わせたねずみの鼻にアレルギーを引き起こす物質を塗り、20分間で何回くしゃみをするかの実験1 綺麗な空気をすったねずみは1.3回2 1立法メートルあたり、0.3mgのSPMを含む空気を吸ったねずみ3.7回3 1立法メートルあたり、1mgのSPMを含む空気をすったねずみ9回 これをもってして花粉症の原因はディーゼルの排気であるとしています。 この実験結果は、確...
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「ディーゼルの排気ガス中のSPMが原因」の検証3

 ディーゼルの排気ガスが花粉症の原因であるという実験結果の信憑性については前のページで検証しましたが、このページでは、なぜ私はディーゼルの排気が花粉症の原因ではないと結論した簡潔に述べたいと思います。 元々花粉症は日本にはない病気と言われていましたが、欧米では昔からある病気です。つまり、ディーゼルどころか排気ガスを出すいかなる内燃機関も存在する前から花粉症という病気は欧米には存在しており、ディーゼルの排気ガスが原因であるという説はそれを説明できません。 ただし、ディーゼルの排気ガスは花粉症の症状を悪化させる、もしくは花粉症患者の増加に拍車をかけている可能性は否めません。しかし、私が捜し求めてい...
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食生活の変化

 食生活が変わったことが花粉症の原因とする説があります。主に言われているのは食の欧米化でした。食の欧米化と言ってもカロリーの過多なのか肉食なのか牛乳や乳製品の摂取なのかそれとも全てなのかをはっきりと断定している説はありません。 さらに、食生活の変化という意味では、欧米化だけでなく添加物の使用量の増加も考えられます。 私たちが食べているものが私たちの身体に影響を与えて花粉症の原因となっているという説を検証するために、まずはその食生活の変化が事実なのかを見てみましょう。
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食生活の変化が花粉症の原因の検証

 食生活の中で真っ先に候補から外しても良さそうなのは食品添加物でした。それというのも、現在のような添加物を使用するはるか以前から欧米では花粉症が存在していたからです。その点についてはディーゼルの排気ガスなどと同じことですね。 肉はどうでしょうか。肉は欧米では昔から普遍的に食べられています。日本においては仏教伝来以来、基本的に明治まで肉食はしていませんでした。そして摂取量が飛躍的に伸びたのは戦後しばらくしてからのことです。概ね肉の摂取量と花粉症患者の数は比例しているように見え、相関関係があるように思えます。 少なくとも肉食の過多が花粉症の根本原因であることを積極的に否定すべき理由はなさそうです。...
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食生活の変化が花粉症の原因の検証2

 卵についてはどうでしょうか。卵はエビ・カニや牛乳、蕎麦などと並び、アレルゲンの代表選手です。怪しいですねえ。しかし、卵アレルギーと花粉アレルギー(花粉症)と何の関係があるのかと言われれば、アレルギー発症のメカニズムは一緒かも知れませんが、卵アレルギーと花粉症との相関関係に着目した研究やデータを見つけることができなかったので、なんとも言えません。 また、これもデータがないのではっきりは言えないものの、和食にも卵を使った料理があるように戦前から卵は結構食べられている気がします。 牛乳などの乳製品も怪しいです。代表的なアレルゲンですし、日本に於いては戦後飛躍的に消費量が伸びている点や欧米では昔から...
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原因の特定の難しさ

 あるものが花粉症の原因ではないと判断するのは比較的易しいのです。 しかし、特定のあるものが花粉症の原因であるとするのは非常に難しいです。例えれば警察の犯人探しのようなものです。 殺人事件が起こり、AさんとBさんが疑われたとします。Aさんにはアリバイがあり、Bさんにはアリバイがありません。この状況ではAさんが犯人ではないと断定するのは容易でしょう。しかし、Bさんにはアリバイがないものの、これをもってしてBさんが犯人であると言えるでしょうか。 言えることはBさんは殺人事件の犯人の可能性があるということだけです。Bさんが殺すところを見たという証人やBさんが殺人を犯した直接的な証拠がない限りBさんを...
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結論

 花粉症は、日本に於いては現代病の申し子のような存在です。そのため、どうしてもディーゼルの排気ガスや食品添加物などの現代社会特有のものに原因を求めたくなります。私も心情的にそうでした。 しかし、花粉症が現代病なのは日本であり、欧米においては昔からある病気であるという一点で花粉症の根本原因からディーゼルの排気ガス等は排除されるわけです(症状を悪化させたりすることはもちろんあるかも知れません)。 つまり、欧米の伝統的生活にはなかったが現代生活にはあるというものは花粉症の根本原因にはなり得ないということです。 もう一歩進めましょう。欧米の伝統的生活及び欧米の現代生活にはあり、日本の伝統的生活にはなく...
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その他の花粉症の原因と言われているもの

 私が有力な花粉の原因としてあげた三つ以外にも原因と推測されているものはたくさんあります。 ただし、私が挙げた三つの原因は一般的にも原因である可能性が高いと思われているもので、しかも検討に値すると思ったものです。マイナーなものは結構ありますし、私が知らないものもたくさんあると思います。 例えば、ストレスが原因だとする説もあります。しかし、原因不明の体調不良は全てストレスのせいにするのも考えものです。仮にストレスが花粉症の原因だとすると、昔は今よりもずっとストレスがなかったのでしょうか。私にはそうは思えません。昔は今のように自由な社会ではなかったでしょうし、ましてや戦争のストレスなどは現代社会の...
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